これから暑くなってきて、汗をかくことがどんどん多くなってきます。
「でも、暑くなくても汗をかくときもある」と思われる方も多いでしょう。
実はこの「汗」にも種類があることはご存知ですか?
汗がでるきっかけで思いつくのは
「暑いとき」「緊張したり、びっくりしたとき」「唐辛子など辛い物を食べたとき」の3つがでてきます。
これはそれぞれ温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗と呼ばれています。
①温熱性発汗
暑いときや運動をしたときに、上昇した体温を下げるためにかく汗のことです。
手のひらや足のうらを除く、全身から持続的に発汗し
暑い時に激しい運動を行うと、1時間に2リットルほどの汗をかくこともあります。
温熱性発汗は体温調節のためにかく汗ということになります。
汗をかく部位:手のひら、足の裏を除く全身
汗腺の種類:エクリン腺
②精神性発汗
人前に出て緊張したときや、驚いたときに出る汗のことで「手に汗をかく」「冷や汗をかく」といわれている汗のことです。
精神的な刺激にともなってでることから「精神性発汗」と呼ばれています。
汗が出る部位:手のひら、足のうら、ワキの下など限られた部位で、短時間に発汗するのが特徴。
ストレスや緊張など精神的な刺激によりかく汗。
汗をかく部位:ワキ、手のひら、足の裏など局所的
汗腺の種類:エクリン腺、アポクリン腺
③味覚性発汗
香辛料が効いた辛い物を食べたときに鼻や額などにかく汗。
味覚の刺激によって反射的に起こるもので、食べ終わると汗もひきます。
汗をかく部位:特に額や鼻など
汗腺の種類:エクリン腺
汗腺には2種類あり、それぞれエクリン腺とアポクリン腺と呼ばれます。
この2つのにも大きな違いがあります。
エクリン腺
エクリン腺はほぼ全身の肌に存在している汗腺で、特に頭や顔、背中などに多くあります。
ヒトの汗のほとんどはこのエクリン腺から出るものです。
エクリン腺から出る汗はエクリン汗と呼び、肌の表面にある汗孔(かんこう)という穴から排出されます。
エクリン汗は酸性ですが99%が水からできています。水分以外の成分は塩分がほとんどで、一部カリウムなどが含まれます。
よって臭いも比較的少なく、サラッとした性質の汗がでてきます。
アポクリン腺
アポクリン腺は脇の下や耳、乳輪や陰部に存在する汗腺です。
アポクリン腺から出る汗はアポクリン汗と呼び、毛穴から排出されています。
アポクリン汗はアルカリ性で、70%~80%の水分と、タンパク質・脂質・アンモニアなどが含まれます。
よって嫌な臭いの汗はアポクリン汗が原因となってきます。