走っている時、走り終えた時、患部を指で押した時などに膝の外側に痛みを感じる
もしかしたら腸脛靭帯炎かもしれません。
「腸脛靭帯炎」と聞くとあまり馴染みはないかもしれませんが、ランナー膝、ランナーズ・ニーと言われると耳にしたことがあるかもしれません。
腸脛靭帯炎とランナー膝またはランナーズ・ニーは呼び方が違うだけで同じ疾患です。
腸脛靭帯炎になると、初期は痛みのほかに膝の外側が緊張するような・きしむような違和感を感じます。ランニング後などに痛みが現れ、休むと治まります。
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症状が進行してくると痛みは徐々に大きくなり、なかなか治まらなくなって慢性化します。
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重症化すると痛みで膝の曲げ伸ばしが困難になり、痛みで膝を伸ばしたままでないと歩くのが困難な状態になります。
痛みが発生するタイミングは、「足が曲がった状態から伸ばした時」です。ランニングなら地面を蹴った時になります。
なぜ腸脛靭帯炎になってしまうのかというと
膝を伸ばしたり曲げたりする屈伸運動をする際、膝関節の外側2~3センチ上の部分にある大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)という骨の出っ張りが前方または後方に移動します。
この時、腸脛靱帯と大腿骨外側上顆が摩擦を起こし、炎症が発生し外側の膝が痛みを感じるようになります。
これが腸脛靱帯炎、つまりランナー膝です。
腸脛靱帯炎は、マラソンランナーのような長距離を走る人や、サッカーやバスケットボールなど走行距離が長く激しいスポーツをする選手などによく見られます。
近年のランニングブームで市民ランナーが症状を訴えいるケースも増えてきています。
特に次にような人は注意が必要です。
・O脚(ガニ股)
・走行フォームで足の外側に体重を受ける癖のある人
・膝関節の変形が進んで膝が不安定になっている人
・体重による負荷が身体の外側にかかる人
治療は保存療法が原則です。
第1に局所の安静、つまりランニングの休止が重要です。
次に大腿筋膜張筋など股関節外側部を主に、筋緊張の緩和、アイシングを徹底します。
症状がキツイ人には超音波などの物理療法を行います。
この腸脛靭帯炎は、いったん症状が出現すると簡単には消失しないので発症初期の決断、適切な休養期間が大切です。同一側の膝の負担を軽くする目的で、たまには普段と反対回りのトラック走行も取り入れてあげるのもいいかもしれません。
手術での治療は稀にあるそうですが、一般的ではありません。