近年、海外で活躍している日本人アスリートがどんどん出てきていて、野球・サッカー・テニス・卓球など、どのスポーツを見ていても応援に熱が入ります。
しかし、スポーツ選手にとって最もコワイのが【怪我】です。
いまスポーツニュースなどを見ていると、プロのサッカー選手や野球選手、バスケット選手が膝の怪我をして休んだり、調整したりしている記事を多く見かけます。
その中でも膝の靭帯や半月板を損傷する選手が比較的多い気がします。
なので、ここで改めて膝の怪我について紹介していこうと思います。
『膝のこの部分が痛いと、この疾患の疑いがありますよ』という代表的なものをいくつか紹介します。
スポーツ選手だけでなく、みんなに膝を痛めてしまう可能性があるので、よければ参考にしてみてください。
膝のお皿の上に痛みがある場合
・大腿四頭筋腱炎・
大腿四頭筋は骨盤や大腿骨(太ももの骨)の上から脛骨粗面(膝のお皿の下の出っぱり)に付いていますが、お皿の上で腱になり、お皿を包みます
その腱の部分に負担がかかり炎症を起こします
大腿四頭筋に疲労が蓄積され、柔軟性が失われると負担がかかってしまい、この状態になりやすくなってしまうのでストレッチなどのケアで予防することが大切です。
膝のお皿に痛みがある場合
・滑液包炎・
滑液包とは皮膚とお皿の間にある袋で、摩擦を軽減してくれます。
膝を曲げることが多いと炎症を起こしてしまいます。
スポーツなどで良く使った後は痛みがなくてもアイシングをして熱を引かすのもいいでしょう。
また、免疫力が低下していると細菌性の滑液包炎になることもあります。
・骨折・
転んだりぶつけたりの直接的な力が働くことで骨折をすることが多いです。
稀にお皿についてる大腿四頭筋が急激に収縮することで、お皿が上下に真っ二つに割れる横骨折になることもあります。
・打撲・
骨折同様、転んだりぶつけたときになります
骨折と違い、骨に異常は見られません。
お皿の真下に痛みがある場合
・ジャンパー膝(ジャンパーズニー)・膝蓋靱帯炎・
お皿のすぐ下には膝蓋靱帯があり、靱帯が炎症を起こしている状態です。
ジャンプ動作の多いバレーやバスケをしている方に多く起こります。
他にもサッカーをしている方にも発症します
骨の成長が落ち着いてきて、膝の曲げ伸ばしをすることが多い人、大腿四頭筋の柔軟性が失われている人がなりやすいです。
お皿の下の骨の出っ張り(脛骨粗面)に痛みがある場合
・オスグッド病・
大腿四頭筋が緊張して脛骨粗面(お皿の下の出っ張り)に負担がかかって炎症が起こった状態です。
放っておいたり、ひどい場合は脛骨粗面の剥離骨折を起こすこともあります。
このオスグッドはまだ骨が成長しきっていない子供に起こりやすく。
大人になって骨が丈夫になってくると、脛骨粗面より上の膝蓋靱帯に負担がかかりやすくなるので
基本的に子供はオスグッド
大人はジャンパー膝、膝蓋靱帯炎になりやすいということになります。
お皿の内側に痛みがある場合
・内側側副靱帯損傷・
膝から下が外側に反るのを防ぐ靱帯です
ニーイン・トゥーアウト(膝が内側に入り、爪先が外側を向いた)状態で膝の外側から力が働くと靱帯が必要以上に伸ばされ損傷しやすくなります。
・内側半月板損傷・
半月板は膝の関節の中にあり、大腿骨と脛骨の間でクッションの代わりにもなっています
内側側副靱帯、前十字靭帯と同時に損傷することを【不幸の三徴候】といい、スポーツをする上では致命的になってしまいます
・鵞足炎・
縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの筋から構成されています。
その鵞足の部分で炎症が起きている状態です
膝の曲げ伸ばしをするときに腱と骨、または腱同士がこすれて起こります。
他にも
・シンスプリント・
脛骨の骨膜炎のこと
脛骨とはスネの内側の骨のことで、その下1/3の部分の骨膜に炎症が起こります。
足底のアーチが崩れて負担がかかったり、膝が内側に入り・つま先が外側に向いている(ニーイン・トゥーアウト)状態で脛骨の下1/3に重心がかかっているとなりやすく、陸上選手などに多い疾患となっています。
膝関節は周りに筋肉や靱帯、半月板などが多数あり、複雑な関節の一つです。
一般的にスポーツで痛めることが多いものを紹介しましたが、他にも色んな疾患があるので、お悩みの方は一度受診してみた方がいいかもしれません。