半月板は膝(ひざ)の関節内にある組織です。
膝関節(しつかんせつ)は3つの骨からできていて、脛骨(けいこつ:すねの骨)の上に大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)が乗り
さらに大腿骨の前面には膝蓋骨(しつがいこつ:ひざのお皿)があります。
半月板は大腿骨と脛骨の間にあり、内側にあるものを内側半月板、外側にあるものを外側半月板といいます。半月板は三日月のような形で、膝関節を安定させる役割や、膝関節の衝撃をやわらげるクッションの役割を果たしています。また、半月板は辺縁部30%を除いては血行に乏しく、一度損傷されると修復されにくい組織です。
痛める原因として
膝をひねるようなあらゆる場面で起こりますが、ほとんどはスポーツ活動中に発生しています。ジャンプ着地などに際して膝関節が屈曲しつつ回旋(ひねり)が加わると、水平方向のストレスが加わります。そのストレスによって半月板を部分的もしくは全体的に損傷(断裂)します。例えば、
・片足で床を滑ったとき、横から膝にタックルされたとき
・ジャンプ着地時に膝が外反屈曲してひねりが加わったとき
などに発生します。水泳の平泳ぎでも起こります。平泳ぎで起こるのは膝に繰り返しのひねりの力が加わるためであり、ランニングなどの単純な動作でも徐々に半月板が摩耗して起こります。
症状としては
初回の受傷で半月板に亀裂が入っても、小さな傷の場合には無症状もしくは疼痛のみで特徴的な症状はありません。
受傷を繰り返したり、ひねり方が強いために亀裂が進行したり、大きくなったりすると、膝の中でコリッという音(クリック音)がしたり、半月板の断片がはさまって膝が伸びなくなる(ロッキング)などの症状が現れます。
また、関節に水がたまったり、受傷直後には血がたまったりすることがあります。
半月板損傷が軽度である場合、保存療法が選択されることが多くあります。
保存療法では、ひざに負担がかからないよう、安静に保つことが原則です。個々の状態に応じて、ストレッチやトレーニング、リハビリのほか、痛みが強い場合にはアイシングをしたり、テーピング、包帯を施します。
症状が治まるまでにかかる期間は、損傷の程度や回復の具合によって異なるので、一概には判断することができません。損傷が軽く、経過がよい場合には、1週間から10日程度で簡単な運動を再開できることもありますが、半月板損傷後の運動などへの復帰時期については経過を見ながら決めていくことが多いです。