ガングリオンという言葉を耳にしたことはありますか?
「骨が出てきた」「軟骨が飛び出してきた」と勘違いすることが多い疾患です。
ガングリオンとは、関節近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体がたまり、弾力性の腫瘤を形成します。
柔らかいうちは注射で中身を吸い取ることができますが、繊維化して硬くなると注射で吸うことが難しくなります。
それ自体は症状はありませんが、形成されたガングリオンが神経や腱を圧迫してしまうと痛みを生じることがあります。
そんなガングリオンの原因とは一体何なのでしょうか。
ガングリオンの詳しい原因は不明といわれています。
ガングリオンは昔の怪我や関節炎との関連があるという説もありますが、原因は解明されていません。
他にも原因として考えられるものはいくつかありますが、どれも決定的な根拠に欠けている状況です。以下では、現時点までに考えられている原因について紹介します。
“過度に関節を動かすこと”
関節を過度に動かすことで、関節周囲の細胞に過度な刺激を与えてしまいます。
すると「関節包や腱と腱鞘の潤滑油の役割を果たしている滑液が濃縮して溜まってしまう」という説があります。
しかし、特別に手足の関節を使うことがなくてもガングリオンを発症する人は多いため、明確な根拠とされていません。
“外部からの衝撃”
外部からの衝撃から身を守ろうとする防衛機能によって、クッション代わりにガングリオンが形成されるとする説があります。しかし、ガングリオンには柔らかいものがある一方で、硬いものや、関節の奥に入り込んでしまうような小さいものまで、防衛機能を果たしえないものが存在するため、この説もいまいち説得力に欠けています。
“ストレス”
ストレスによって血行不良となり、溜まった老廃物がガングリオンを形成するとする説。この説も医学的根拠がありません。
原因が特定されていないため、効果的な予防をすることができません。ガングリオンにおいては予防よりも「どうやって早期にガングリオンに気づくか」という方が大事です。
当院にも「骨がでてきた」と来院される患者さんがおられます。
病院のように注射はできませんので、超音波治療で腫瘤を柔らかくし、出っ張りを改善していくことが多いです。
お悩みの方はいつでもご相談ください