DHAはテレビなどでよく耳にしますが、EPAはそこまで聞きなれないと思います。
この2つは青魚に多く含まれていて、健康食品にもあるくらいです。
まとめて紹介されることが多いですが、それぞれ別物の栄養素です。
例えば、血液をサラサラにする効果が高いのはEPAです。
血中の中性脂肪濃度や悪玉コレステロール濃度が高くなったり、血糖値が上昇すると、血液は粘性を増してドロドロの状態になります。これを改善し、動脈硬化や高血圧症などの症状を予防するのに
EPA(エイコサペンタエン酸)と
DHA(ドコサヘキサエン酸)はどちらも有効に働きます。ただし、その働きかけには違いがあります。
DHAは、血管や赤血球の細胞膜をやわらかくする働きにより、血流を促します。
一方のEPAは、高い血小板凝集抑制作用により血栓をつくらせないことで血流をよくします。そのため、血栓を防いで血液を潤滑にする効果は、EPAの方がより高いといわれています。
また、神経系に働きかけるのはDHAだけです。
DHAとEPAは、摂取されると小腸で吸収され、肝臓を通って血液に入ります。その後、DHAは神経系の細胞の成分となるために、血流に乗って脳まで送られていきます。脳の入り口には血液脳関門というものがあり、脳に必要な物質とそうでないものを選り分けているのですが、DHAはこの関門を突破できる数少ない成分のひとつです。特に、記憶力や学習能力に関係する海馬に集められるため、脳の活動を活性化させる重要な成分とされています。
また、DHAは血液網膜関門も突破できます。そのため、視力をよくするのにも必要な成分とされています。事実、DHAは網膜の脂肪の40%~60%を占めていることが明らかになっています。
一方のEPAは、いずれの関門も突破できないので、神経系への働きはありません。
簡単にまとめると
EPAは”血栓の予防”
“高血圧・糖尿病から守ってくれる”
DHAは”脳神経細胞を守る”
“炎症をおさえる”
“動脈硬化を抑制する”
ちなみに、DHAは体内ではEPAからつくられる成分です。よって、EPAをしっかり補っていれば、DHAが不足することはないといわれています。EPAは外から摂取しないとどんどん減少してしまうので、魚を食べる際はDHAよりもEPAの含有量を見るといいでしょう。