『ヘルニア』と聞いてまず思い浮かぶのは、首や腰などに起こる『椎間板ヘルニア』。
『ヘルニア』とは『飛び出す』という意味で、椎間板が後方または斜め後ろに飛び出すことによって、神経が圧迫されて痛みや痺れなどの症状がでます。
椎間板ヘルニア以外にも『臍(さい)ヘルニア』というものかあります。
『臍』とは『へそ』のことを指します。
へそは赤ちゃんがお腹の中にいる胎児期に、胎児と胎盤を繋ぐ臍帯(さいたい)のなごり。
臍動脈と臍静脈を合わせて臍帯といいますが、その血管が貫いていた部分を臍輪(さいりん)といいます。
臍輪という穴を結合組織で閉じ、瘢痕化した組織と癒合したのが臍になります。
通常は皮膚が薄く、瘢痕組織によって中に引っ張られるので臍は凹んでいます。
しかし生後どんどん小さく閉じていく臍輪が、途中で何かの原因で開き腹圧がかかると、臍輪から小腸などがはみ出すことがあります。これが『臍ヘルニア』で、一般的には『でべそ』と呼ばれているもよです。
また、出産経験のある中高年女性にも起こることがあります。